この記事は『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』についての書評です。

『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』は、カル・ニューポートさんの著書。

2019年に早川書房から出版されました。

「何となくSNSを眺めていたら休日が終わってしまった……」とお悩みの方におすすめの書籍です。

本の3行紹介

テック界の「こんまり」として話題となったコンピューター科学者の著書。

「30日間のデジタル断捨離」について解説している本で、Amazonベストブック2019(ビジネス&リーダーシップ部門)とニューヨーク・タイムズ・ベストセラーに選ばれるほどの人気作。

「最近、デジタル機器やツールに振り回されているなぁ」とお悩みの方におすすめの一冊です。

本の目次
  • 1:スマホ依存の正体
  • 2:デジタル・ミニマリズム
  • 3:デジタル片付け
  • 4:一人で過ごす時間を持とう
  • 5:”いいね”をしない
  • 6:趣味を取り戻そう
  • 7:SNSアプリを全部消そう

個人的な2つの学び

本書を読んで得た、個人的な学びポイントを2つまとめます。

デジタル断捨離の基礎基本

まずは大前提として、著者が提唱するデジタル断捨離の哲学(デジタル・ミニマリズム)について軽くご紹介しましょう。

デジタル断捨離の3つの原則
  • 原則1:あればあるほどコストがかかる
  • 原則2:最適化が成功のカギである
  • 原則3:自覚的であることが充実感につながる

原則1:あればあるほどコストがかかる

あまりにも多くのデバイスやアプリがあると、1つ1つがもたらす小さなメリットの総和を帳消しにしてしまいます。

ツールやアプリの入れすぎは良くない、ということですね。

原則2:最適化が成功のカギである

潜在的なメリットを最大限に引き出すには、そのテクノロジーをどのように利用するかを慎重に判断しなくてはいけません。

人気だから、面白そうだから、という理由で取り入れすぎると、そもそも扱い切れなくなってしまいます。

お部屋の片付けも同じですが、買うのは簡単でも、捨てるのは難しいものです。

衝動的に導入するのではなく、きちんと目的意識を明確にしてから取り入れましょう

原則3:自覚的であることが充実感につながる

新しいテクノロジーとの関わり方に自覚的であろうとすればするほど、大きな喜びを得ることができます。

つまり、テクノロジーに使われるのではなく、テクノロジーを使いこなすことが大事なのです。

そのためにも、受動的になるのではなく、自発的にテクノロジーとの付き合い方を整理していきましょう。

デジタル片付けのプロセス

続いては、デジタル断捨離(片付け)のプロセスについて。

こちらもシンプルで、全部で3つしかありません。

それでは、早速ご紹介していきましょう。

デジタル断捨離のプロセス
  • その1:必須ではないテクノロジーを休止する
  • その2:新しい趣味を発見する
  • その3:テクノロジーを再導入する

その1:必須ではないテクノロジーを休止する

30日のリセット期間を定め、かならずしも必要ではないテクノロジーの利用を休止します。

絶対に無くてはならないもの以外は、思い切ってアンインストールしたり、ロックをかけたりしましょう。

SNSももちろん対象です。

ご家族や友人とやりとりするのに必要なものは仕方ないかもしれませんが、それでもホーム画面から取り除くとか、毎回ログアウトするとかするのをおすすめします。

アプリを立ち上げるのにステップが増えれば増えるほど、断捨離しやすくなるからです。

私はAndroidをメインで使っているので、思い切ってほとんどのアプリをホーム画面から削除しました。

SNS関連はアンインストールし、必要に応じてブラウザから都度ログインするように変更。

最初は不安になったものですが、意外と数日で慣れるので安心してください。

その2:新しい趣味を発見する

この30日間に、楽しくてやりがいのある活動や行動を新しく探したり再発見したりしましょう。

デジタル機器がないからこそできることを探すのです。

例えば、外に出かけてみたり、紙の本を読んでみたり。

習い事や試験勉強に勤しむのも良いかもしれません。

今までスマホをいじっていた時間が空くことになるので、思い切っていつもとは違うことにチャレンジしましょう

ちなみに、私は博物館などに通うようになりました。

一時期は足が遠のいていたのですが、一度通ってみると、その後のハードルがグッと下がるものですね。

今では定期的に特別展の情報をチェックするようになりました。

その3:テクノロジーを再導入する

休止期間が終わったら、まっさらな状態の生活に、休止していたテクノロジーを再導入します。

その際、再導入するテクノロジーの1つ1つについて、自分の生活にどのようなメリットがあるか、そのメリットを最大化するにはどのように利用すべきかを検討することをお忘れなく。

この段階にくれば、意外とSNSやアプリを使わなくても生きていけることに気づくと思います。

どうしても必要なものだけ慎重に再導入していきましょう。

私は特別展の情報などをチェックしたくなったので、X(旧Twitter)のプライベート用のアカウントを作り直し、本当に知りたいものだけフォローするようにしました。

今までは何となくフォローするものが増えてしまって、いつもタイムラインがカオスなことになっていたのですが、今ではとてもスッキリしています。

情報の奔流を制御できている感じがして、SNSを見ていても割と穏やかでいられるようになりました。

テクノロジーを上手に制御して、自分らしい生活を守っていきたいですね。

感想

デジタルなツールから離れ、自分にとって本当に大切なことに集中するための考え方を説いた本でした。

断捨離のデジタル版とも言えますが、筆者はすべてのデジタルツールを削除するように主張しているわけではありません。

「惰性でSNSを見てしまう」というような状況を避け、もっと主体的に人生をコントロールするための一つの方法としてデジタル・ミニマリズムを提唱しているのです。

基本的な考え方やポイント、それらを踏まえた具体的な演習案なども提示してくれているので、本を読み進めながらデジタルの片付けを実践できるのはとても良いなぁと思いました。

先ほども書きましたが、私も本書で紹介されていた「SNSアプリを削除する」という方法を試してみたところ、以前よりもスマホを使う時間が格段に減りました。

今では外に出たり、紙の本を読んだりする時間が増えたので、前よりも充実した毎日を過ごせています。

最初はちょっと不安でしたが、必要なときはブラウザから見ればよいですし、思ってたよりも問題なかったので、これからも続けていこうと思います。

SNSに疲れを感じていたり、何にもしていないのに一日が過ぎていくように感じたりする人におすすめです。

まとめ

この記事では、カル・ニューポートさんの著書である『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』の概要と感想をご紹介しました。

人生の時間は有限です。

「何となくSNSを眺めていたら休日が終わってしまった……」ということにならないように、日頃からスマホの中身も整理していた方が良いと思います。

お部屋を片付けることで人生がときめくように、デジタル断捨離をすることで日常がより有意義なものになるでしょう。

SNSやツールに振り回されるのではなく、目的意識を持って人間主体で上手に付き合っていきたいですね。