この記事は『やり抜く力 GRIT(グリット) 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』についての書評です。
『やり抜く力 GRIT(グリット) 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』は、アンジェラ・ダックワースさんの著書。
2016年にダイヤモンド社から出版されました。
大人でも子供でも、いつからだって「やり抜く力」を伸ばすことができる、と話題になった本になります。
- 目標を途中で諦めてしまいがちで悩んでいる方
- 物事になかなか集中して取り組めずに苦しんでいる方
- お子さんに「やり抜く力」を身につけさせたいと考えている親御さん
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
人生で成功するために重要なのは、持って生まれた才能ではなく、目標に向かって直向きに努力し続けることができる「やり抜く力」である、という本。
さまざまな著名人へのインタビューや研究結果を元にして書かれています。
本の内容の大半はそれらの紹介や関連エピソードのお話がメインになっているので、「やり抜く力」を持っている人の事例を多数知ることができますよ。
全体的に研究者が書いた本という感じが強いので、軽めのビジネス書を求めている方には少々重いかもしれません。
ただ、「やり抜く力」について科学的に知りたいという方にとっては最良の本だと思います。
この本を読んだ理由
習慣化とか目標達成とかって、なかなか難しいですよね。
最初はやる気に満ち溢れているのですが、途中から仕事や家事の影響で時間が足りなくなってくると、気づけばパッタリと辞めてしまったりするのです。
私も何回もそういったことを経験してきたので、これは自分の意志が弱いからかな、と思って悲しい気持ちになることにありました。
そんなとき、会社の同僚に感化されて「このままではいけない!」と一念発起。
まずは科学的に「途中で諦めてしまう」現象について知らなければならない、と思いまして、ネットでそれっぽい本を調査しました。
すると、Amazonのおすすめ欄で本書を発見。
評価も高いベストセラーのようだったので、早速購入して読んでみた次第です。
印象に残った箇所
特に印象に残ったのは、第6章の「「興味」を結びつける」です。
今回はその中から、個人的な学びにつながったところをご紹介します。
続けるためには、兎にも角にも好きなことを見つけよう
アンジェラ・ダックワースさんは、「やり抜く力」を伸ばす1つの方法として、自身の興味を掘り下げることを勧めています。
「好きなことを仕事にするのは正しいのか」という問題に関する研究では、人は自分の興味に合った仕事をしているほうが、仕事に対する満足度がはるかに高いことが明らかとなっているそうです。
つまり、好きなことをやると満足度が高くなり、満足度が高くなるので長続きする、というロジックですね。
そのため、アンジェラ・ダックワースさんは「情熱」や「興味」といったものを大切にしています。
「そんなこと言われても、まだ『これだ』と思うものは見つからないんだよ……」という方は、自分自身に次の簡単な質問をしてみてください。
- 「私はどんなことを考えるのが好きだろう?」
- 「いつのまにかよく考えているのはどんなこと?」
- 「私が本当に大切に思っているのはどんなこと?」
- 「私にとってもっとも重要なことは?」
- 「なにをしているときがいちばん楽しい?」
- 「これだけは耐えられないと思うことは?」
そして、ぼんやりと方向性が見えてきたら、気になったものはなんでもチャレンジしてみましょう。
アンジェラ・ダックワースさんのおすすめのコツは以下の3つです。
まずは好き嫌いをはっきりさせて、そこから積み上げていこう
自分の興味のあることははっきりとは分からなくても、生活費を稼ぐ手段として「これだけはやりたくない」と思うものってありますよね。
そして、その逆で「これなら良いかも」と思えるものもあるはずです。
まずは、好き嫌いをはっきりさせて、自分が最低限興味のあることを選別してみましょう。
とりあえずいいと思ったことをやってみよう
本当に興味があることが見つかるまでは、ある程度、試行錯誤するのは仕方がありません。
「唯一の正解」や「最高の目標」を見つけようとは思わないで、何となく良さそうだと思える方向性を見つけるだけでOKです。
何でも実際にやってみて、しばらく続けてみなければ、自分に合っているかどうかなんて分からないですよね。
うまくいかなかった場合は、取り消したって構わない
一度ですべてがうまくいくことなんて、そうそうありえません。
世の中で大きな成功を収めている人は、他の人よりも試行回数が多いため、失敗する数も多いそうです。
色々試して、日々改善を行っているからこそ、他の人よりも大きな成功を掴むことができるんですね。
私たちもいつかは最重要の目標を決める日が来ますが、それまでは色々と試行錯誤してみましょう。
失敗は成功の母とも言いますしね。
感じたこと・考えたこと
「やり抜く力」を持った著名人のお話や最新の研究成果をもとに、「やり抜く力」を科学的に解析する本でした。
研究者の方の本なので全体的に内容が濃く、腰を据えて読む感じですね。
日本のビジネス書で主流な、項目ごとに分けて重要ポイントをメインに紹介するような簡潔さとは真逆の本なので、そこは注意した方が良いと思います。
私もAmazonから届いた本を手に取ったとき、これは読むのに時間がかかるかも、と思ったくらいです。
ただ、その分、一つ一つの段階を積み上げて論証していく丁寧さや、研究結果の細かい解説部分などは豊富でした。
特に、「やり抜く力」にどうして注目するべきなのか、どうすれば「やり抜く力」を育てることができるのか、子供に「やり抜く力」を身につけさせるにはどうしたら良いのか、といった箇所については、とても丁寧に紙面を割いて解説してくれています。
中でも、後半は子育て中の親御さんをターゲットにしているような章構成になっているので、小さなお子さんを持つ方におすすめです。
多少気になるとすれば、全体的に著者の熱いパワーを感じることでしょうか?
エビデンスは豊富で理系な内容になっているものの、文体からは熱血さを感じることが多かったです。
文化系よりは体育会系のような本ですね。
「後天的に一生懸命正しく努力を続けたものが成功する!」といった内容なので、ある程度そうなるのも仕方がないのかもしれません。
まとめ
この記事では、アンジェラ・ダックワースさんの著書である『やり抜く力 GRIT(グリット) 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』の概要と感想をご紹介しました。
「やり抜く力」は後天的に身につけることができます。
「やり抜く力」を強くするステップも紹介されているので、本書を参考に日々努力を続けていけば、徐々に粘り強い人間になれるかもしれません。
何事も、努力を続けることが大事なのですね。
私も一朝一夕でどうにかしようとせずに、長い目で「やり抜く力」を育てていこうと思います。
それでは、今回はここまで。
また別の記事でお会いしましょう!