この記事は『心の持ち方 完全版』についての書評です。

『心の持ち方 完全版』は、ジェリー・ミンチントンさんの著書。

私が読んだ版は、2015年にディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されたものです。

人生で成功するための自尊心の持ち方を優しく教えてくれます。

以下のような方におすすめ!
  • 自分に自信が持てなくて日々悩んでいる方
  • 自尊心を向上させたいけれど、どうしたら良いか分からない方
  • 人生で成功するための前向きな言葉を知りたい方

本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。

本の簡単な紹介

概要紹介

大ベストセラー『うまくいっている人の考え方』でお馴染みの、ジェリー・ミンチントンさんの著書。

最初に単行本として刊行されたのは2004年ですが、それ以降、新書版になったり完全版になったりするなど、細かなリニューアルを重ねてロングセラーとなっています。

内容は、ビジネスや人生において役に立つ考え方を紹介したもの。

全部で92項目あります。

見開き2ページで完結するように構成されているので、隙間時間でも読みやすい本です。

人生を豊かにするためのヒントが随所に散りばめられているので、目次を見て気になる箇所から読み進めると良いでしょう。

この本を読んだ理由

選んだ理由

一時期、仕事がうまくいかなくて自信を失いかけていたことがありました。

SNSをみると、誰も彼もが大成功しているように見えて苦しくて。

「このままじゃダメだ」と思い、少し大袈裟かもしれませんが、人生を変えるために行動しようと思ったのがきっかけです。

今すぐに自分でできることといえば、書店に行って本を買うこと。

読書を通じて、まずは先人の知恵に頼ってみようと思ったのです。

近くの書店をぐるぐる巡ること暫し。

書棚の隅っこで気になる背表紙の本を見つけました。

それが本書『心の持ち方 完全版』です。

手に取ってみると、新書サイズのコンパクトな内容に、色々と役立ちそうなヒントが詰まっている印象でした。

これも何かの縁かもしれないと思い、そのままレジに持っていって購入した次第です。

印象に残った箇所

印象的な箇所

特に印象に残ったのは第1章の「自分を大切にする」です。

今回は、その中から学びになった箇所をいくつかご紹介します。

自尊心と傲慢さは違う

ジェリー・ミンチントンさんによると、「自尊心とは傲慢になることではなく、自分の価値を信じること」だそうです。

これには私も目から鱗でした。

どうしても自尊心が高い人というとプライドの塊といいますか、ちょっと傲慢なイメージがあるんですよね。

ですが、ジェリー・ミンチントンさん的には、むしろ自尊心が高い人は傲慢や自惚れとは無縁で、決して威張ったりせず、誰に対しても敬意を持って接するのだとか。

そもそも、自尊心が高い人は自分の価値を心から信じているので、他人からの賞賛は必要としていないそうです。

そのため、他人と比較してプライドを保とうとしたり、優越感に浸ろうとすること自体がないということですね。

これはなるほどな、と思いました。

確かに、本当に自尊心が高いプロフェッショナルな人って、いつ見ても礼儀正しく、それでいて自分の軸をしっかり持っていらっしゃいますよね。

例えば、大谷翔平選手などは立ち居振る舞いが丁寧ですし、野球に対する情熱や真摯さも際立っていると思います。

ああいう人のことを、本当の意味で自尊心の高い人というのかもしれません。

私ももっと自分のことを信じてあげて、自尊心を向上させていきたいなと感じました。

自分を大切にするための4つの心得

ジェリー・ミンチントンは、自分を大切にするためのポイントを4つ挙げていらっしゃいます。

それは以下の4つです。

  • 自分のミスは全部許す
  • どんなことがあっても自分を責めない
  • 堂々と自分をアピールする
  • 自分が世界で最も重要な人物であることを認識する

それぞれについて、私なりの解釈で軽く補足しますね。

自分のミスは全部許す

人は誰でもミスをするものです。

それなのに、いちいち一つ一つのミスを引きずっていては、余計に心が疲れてしまいまし、自信もなくしてしまうでしょう。

大事なのは、常に自分を向上させることです。

過去の失敗は取り消せませんが、次に向けて努力することはできます。

まずは自分のミスを許してあげて、次に向けて一歩ずつ頑張っていきましょう。

どんなことがあっても自分を責めない

失敗をしたり、誰かと比較したりすると、脳内の悪魔が囁いてきます。

「お前のせいだ」「お前には無理」などと、私の心を折りにくるのです。

別の本では、この囁きのことを「Chatter」と呼んでいました。

このChatterは困ったもので、四六時中頭の中で囁き続けて、自分の自尊心と生産性を下げてきます。

ただでさえ、他人から言われのない批判や評価をいただくこともあるのに、わざわざ自分で自分を苦しめるのは、全くもって非生産的です。

どんなことがあっても、自分だけは自分を責めず、許してあげるようにしましょう。

過ぎてしまったことは仕方ありませんし、他人は他人、自分は自分です。

自分を責めて心身を消耗するよりも、未来に向けてエネルギーを使ったほうが良いと思います。

堂々と自分をアピールする

日本の文化ですと、自分を積極的にアピールするのはちょっと憚られるかもしれません。

しかし、誰かが発見してくれる、評価してくれるのを待つだけだと、誰にも気づかれずに人生を終えてしまいかねません。

自分が頑張ったこと、成し遂げたことについては、胸を張ってアピールしていきましょう。

それだけの価値が私たちにはあるのですから。

自分が世界で最も重要な人物であることを認識する

私たちは自分の健康と幸福について責任を負っています。

ジェリー・ミンチントンは「自分を大切にしない人が他人を大切にできるだろうか?」と仰っていました。

これは仰る通りだと思います。

社会に出ると、炎上するプロジェクトを何とかするために体を酷使しても、無視や否定、相反する指示を出してくる上司にあたってメンタルがやられても、会社や同僚は助けてくれません。

もちろん、相談すればある程度の対応やサポートはしていただけますが、最終的に自分を守れるのは自分しかいないのです。

自分が壊れてしまっては、周りを助けることもできなくなってしまいます。

まずは、自分の健康と幸福について責任を持ちましょう。

あなたの人生にとって、あなた以上に重要な存在はいないのですから。

感じたこと・考えたこと

読んだ感想

人生で成功するために役に立つヒントが92個も詰まった本でした。

1ヒント2ページで構成されているので、自分の目的に合わせて読み進めやすかったです。

内容としては、一つの考えを深く掘り下げるというよりも、考え方のヒントを与えてくれる感じのものでした。

ご自身の目的にもよると思いますが、自分の生き方を振り返る上でのきっかけづくりに便利だと思います。

本書から得たヒントをもとに、自分の人生に反映させることができれば、確実に前向きな影響が得られるような気がしています。

少なくとも、読む前よりも自分を前向きに肯定してあげられるようになりました。

逆に、即効性のあるテクニックが知りたい方には不向きかもしれません。

あくまで自己啓発本なので、この本を足がかりに次の一歩を踏み出せるかどうかが大事かなと感じました。

まとめ

この記事では、ジェリー・ミンチントンさんの著書である『心の持ち方 完全版』の概要と感想をご紹介しました。

問題を直接解決する類の本ではありませんが、人生の道標になるような本だと思います。

自己肯定感が下がっている方には、一度手に取ってみてほしいです。

発行年によって、カバーのデザインが異なるのも面白いですね。

新書サイズで分量も約216ページほどなので、それほど負荷を感じることなく、読み進めることができると思います。

まずは本書で生き方のヒントを手に入れてから、より具体的な本にステップアップするのがおすすめです。