この記事は『Microsoft Wordを開発した伝説のプログラマーが発見した「やりたいことの見つけ方」がすごい!』についての書評です。
『Microsoft Wordを開発した伝説のプログラマーが発見した「やりたいことの見つけ方」がすごい!』は、リチャード・ブロディさんの著書。
2020年に文響社から出版されました。
自分が「本当にやりたいこと」を見つけるための実践的なワークを教えてくれる本です。
- 自分が何をしたいのか、何をやりたいのかについて悩んでいる方
- 転職を考えているけれど、自分が何をしたいのか分からない方
- 自分探しを始めたけれど、ドツボにハマってしまった方
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
あの「Word」を作った元マイクロソフトエンジニアによる自己啓発本。
「人生の目的」を見つけるための考え方や具体的なワークを教えてくれます。
ビル・ゲイツも大絶賛した原著の邦訳になりますが、私の読んだ限りでは、誰にでもおすすめできる本ではありません。
本書は、エビデンスよりも著者の思いに深く根ざした本になっているからです。
そのため、著者の思考と合う方や実践的なワークに抵抗がない方には十分おすすめできます。
一方で、最新の研究成果や具体的な数字による説明を求めている方には不向きの内容と言えるでしょう。
私自身は、読んでいる途中でワーク重視の読み方に切り替えたので、問題はありませんでした。
ワーク自体はとても有効に感じたので、気になる方は一度立ち読み等で肌感を確認するのをおすすめします。
この本を読んだ理由
アウトプット本を読み終えた後に、書店の本棚で見つけました。
ちょうどそのころ、「自分は何のためにアウトプットするのか」ということについて悩んでいたんですよね。
私自身がWebエンジニアなので、「あのWordを開発したエンジニア」というところに興味を惹かれた感じです。
「タイトル買い」とでも呼ぶのでしょうか。
帯に「ビル・ゲイツ氏も『驚くほど役に立つ!』と大絶賛」と書かれていたことも大きかったかもしれません。
パラパラめくってみると実際に手を動かして考えるワークも多く、「割と実践的な本だから役に立つかも?」と思い、購入を決めました。
印象に残った箇所
特に印象に残ったのは、第三部の「自由」です。
せっかくなので、今回はその中から、私の学びになった箇所をご紹介しますね。
「できない」と感じたら、自分の本心を掘り下げるチャンス!
難しい問題に直面したとき、思わず「自分にはできないよ……」と呟いてしまいますよね。
ですが、筆者からすると、このような状態は自分を深掘りするチャンスだそうです。
筆者のリチャード・ブロディさんは「『できない』っていうのは本当のところはどういうことなんだろうか?」と、一度立ち止まって考えてみてほしい、と述べています。
なぜなら、「できない」というのは「今の自分の優先順位に照らして、あまり重要ではない」ということをお行儀よく言い換えたに過ぎないからだそうです。
ちょっと厳しい意見のようにも感じますが、ちょっと分かる気もします。
私も、「〇〇なんてできないよ」と思うときがありますが、そういうときって割と「できなくてもそんなに困らない」ときが多いんですよね。
自分の中で差し迫ってないと言いますか、重要度が低いと言いますか。
結局のところ、やらないための言い訳をしているのかもしれません……。
そんなとき、リチャード・ブロディさんは、自分にもっと素直になって深掘りすることをおすすめしています。
「できない」と口にする代わりに、本心を率直に述べたり、できない理由を掘り下げるなりすれば、「自分の人生にとって何よりも大切なこと」がなんなのか分かってくるのだそうです。
「できない」と言ってしまうのは、何かに怯えているせいかもしれませんし、本当は別のことに時間を使いたいのかもしれません。
いずれにせよ、「できない」と言ってそこで立ち止まってしまうのはもったいない、ということですよね。
筆者の語り口調も相まって、何だか自分に直接言われているような気になってしまいました。
私ももっと色々頑張らないといけないですね。
感じたこと・考えたこと
人生でやりたいことを見つけるための考え方のコツや具体的ワークを解説した本でした。
「人生の目的」は他人の事例や意見から探してくるのではなく、自分の根源にある思いを汲み取って自分自身の中から見つけ出さなくてはならない、といったお話があり、「確かにそうかもなぁ」と自分自身を振り返るきっかけになったと思います。
ワークも実際にやってみたのですが、割と自分の気持ちを整理することができたので良かったです。
自分のやりたいことが何なのか迷っている人には、本書のワークが参考になるでしょう。
一方で、筆者の思いや経験が強く出ている本なので、科学的に「やりたいこと」を見つけたい方には合わないかもしれません。
こういった「やりたいことの見つけ方」に関する本は、著者との相性が一番大事だと思うので、ご自身の状況や価値観に合わせて、読むかどうかを決めると良いかなと思いました。
まとめ
この記事では、リチャード・ブロディさんの著書である『Microsoft Wordを開発した伝説のプログラマーが発見した「やりたいことの見つけ方」がすごい!』の概要と感想をご紹介しました。
筆者の熱い思いがひしひしと伝わってくる本で、「自分が何をしたいのか」という点についてイメージを具体化することができました。
人によっては文体に向き不向きがあるかもしれませんが、それを抜きにしても、実践的なワークはとても優秀だと思います。
「とにかく手を動かして整理したいんだ!」という方には特におすすめの書籍だなと思いました。
ご自身の「やりたいこと」を見つけるためにも、まずは本書のワークから始めてみるのも良いかもしれません。