この記事は『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』についての書評です。
『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』は、武田友紀さんの著書。
2020年にダイヤモンド社から出版されました。
とても敏感で繊細な人、いわゆるHSPさんに向けて書かれた本です。
- 些細なことが気になったり、ちょっとしたことで不安になったりして困っている方
- HSP気質があり、日常生活で悩みを抱えている方
- 日常生活で息苦しさを感じている内向型の方
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
HSP専門カウンセラーである武田友紀さんの著書。
ご自身も「繊細さん」であることから、HSPの方にかなり寄り添った内容となっています。
文体も柔らかく、挿絵のイラストも目に優しいので、とても読みやすいです。
「繊細さん」だからこそ感じ取ることができる「幸せのコツ」を53個も紹介してくれています。
私も「繊細さん」なので、あちこちで「なるほど〜」と思いながら、サクサク読み進めることができました。
日常の刺激に敏感なHSP気質の方や、「自分って繊細さんかも?」と不安になっている方に、ぜひ一度読んでいただきたい、とても心地よい本です。
この本を読んだ理由
社会に出てから、何となく周囲と自分の感覚の差といいますか、感じ方の違いに違和感を覚えていました。
でも、その違和感が何なのかは分からず、「自分がおかしいだけ」「自分の我慢が足りないだけ」などと誤魔化しつつ、これまで生きてきたのです。
そんなとある日、帰りのバスの中で「内向型」という言葉に出会いました。
「もしかして、私って内向型なのかも?」と思い、いろいろ調べるうちに、今度は「HSP」という概念にも出会います。
そこで改めて思い返してみると、自分は内向型HSPの特徴に当てはまるのかもしれない、と感じたのです。
これは自分を理解する良いチャンスかもしれないと思い、書店で人気の本を探したところ、本書を見つけました。
他にもHSP向けの本はあったのですが、本書の表紙に優しさと暖かさと感じ、購入した次第です。
印象に残った箇所
特に印象に残ったのは、1章の「感じる幸せ――身のまわりのいいものに気づいてめいっぱい味わう」です。
せっかくなので、今回はその中から、私の学びになった箇所をご紹介しますね。
「繊細さん」が疲れを感じたときに試してほしい2つのこと
「繊細さん」が心身に疲れを感じた際に、ぜひ試していただきたい2つのことをご紹介します。
アウトプットで刺激を放出する
武田友紀さん曰く、「繊細さんはインプットが多いので、こまめにアウトプットすると心が整う」とのこと。
「これ以上、頭に情報が入らないよ!」と感じたら、情報過多のサインらしいです。
今思い返してみると、私も定期的に情報過多のサインに出くわしていました。
私の場合は、頭がぼーっとして考えがまとまらなかったり、何だか息苦しいような気がしたりします。
この感覚は人それぞれで微妙に異なってくるかもしれません。
いずれにせよ、こういった感覚に遭遇したら、積極的にアウトプットした方が良いそうです。
例えば、以下のような感じ。
アウトプットといっても、文字に書き出すだけではないのがポイントですね。
自分の頭や心の中にある気持ちを、文字や音、イメージとして外部に放出することができれば、なんでも大丈夫。
私はたまたま文字に書き出すのが好きなのですが、歌うのが好きな人は一人カラオケに行ったり、身近な相談相手がいる方は一緒におしゃべりしたりするのも良さそうですね。
「何だか頭に情報が入ってこないなぁ」と感じたら、自分がやりやすい方法でアウトプットしてみましょう。
好きなものに触れて心のエネルギーを補充する
アウトプットするのは、ある種の「放電」とも言えますが、「放電」するためには「充電」も大事です。
例えるなら、力を貯めるようなイメージですね。
特に、「休むほどじゃないけれど、動くにはなんとなく元気がたりない」という場合は、「休む」と「動く」の間の「整える」が効果的とのこと。
武田さんのおすすめは、「自分の好きなものに触れること」だそうです。
例えば、こんな感じ。
自分が好きなものに触れて、やる気や気力をチャージするわけですね。
繊細さんは感じる力が強いからこそ、自分に合う環境を整えることが特に重要だそうです。
この場合の環境とは、人間関係や職場、住んでいる部屋や街など、身の回りのすべてです。
私もそうですが、合わない環境にいると、違和感やストレスで心身がひどく消耗してしまうんですよね。
心身の消耗を回避するためには、身の回りに好きなものを置いたり、自分が心地よいと感じる空間を用意することが大切です。
中には、「好きではないけど、問題なく使えるし、もったいないからなぁ」と感じるものもあるでしょう。
しかし、こういった微妙なものに囲まれていても、心身のエネルギーは補充できません。
武田さんは、「もったいないなぁ」とか「捨てるか悩むなぁ」という場合は、自分の心がときめくかどうかで決めることをおすすめしています。
自分のテンションが上がるかどうかということですね。
自分の心がときめくものを使うと、何となく前向きになったり、楽しくなったりするものです。
自分にとっての心地よさを大事にして。身の回りを整えていきたいですね。
感じたこと・考えたこと
「繊細さん(HSP)」に、世の中を幸せに生きるためのヒントをくれる良書でした。
「繊細さん」ならではの幸せを6つ定義し、それぞれの観点から幸せを感じるための考え方や気づきを優しく提示してくれています。
文章の表現や書籍の装丁・デザインなども全体的に柔らかく、読んでいて心地よい本です。
共感する箇所が多く、自分の今後の生き方の手がかりをたくさん得ることができました。
私もそうですが、HSP気質の方にとって、現代社会はとても過ごしにくいと思います。
周りと同じように楽しむことができなかったり、楽しむことができても心身が疲れ切ってしまったり。
「どうして自分はダメなんだろう……」と悩んだこともあります。
ですが、本書を読んでみて、「もっと自分らしさを大事にしていいんだ!」と目から鱗が落ちました。
自分の繊細さは弱点だと思っていたのですが、繊細だからこそ見える景色があるのだと、教えてもらったのです。
これからは、自分らしさや自分の感覚をもっと大事にしていこうと思います。
まとめ
この記事では、武田友紀さんの著書である『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』の概要と感想をご紹介しました。
まさに、「繊細さんによる、繊細さんのための本」だと思います。
繊細さや考え方は人それぞれなので、本書の幸せのコツがすべて当てはまる人はいないと思うのですが、そのうちのいくつかは必ず気づきを与えてくれることでしょう。
私自身も、新たな気づきをいくつも得ることができました。
素敵な書籍を届けてくださった武田友紀さんには、とても感謝しております。
自身のHSP気質や「繊細さん」であることに悩んでいる方は、ぜひ調子が良いときにでも、本書を手に取ってみてほしいです。