この記事は『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』についての書評です。

『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』は、武田友紀さんの著書。

2020年にダイヤモンド社から出版されました。

とても敏感で繊細な人、いわゆるHSPさんに向けて書かれた本です。

本の3行紹介

ご自身も「繊細さん(HSP)」である、HSP専門カウンセラーの武田友紀さんの著書。

「繊細さん(HSP)」だからこそ感じ取ることができる「幸せのコツ」を53個も紹介してくれています。

日常の刺激に敏感なHSP気質の方や、「自分って繊細さんかも?」と不安になっている方に、ぜひ一度読んでいただきたい、とても優しい本です。

本の目次
  • 序章 繊細さんってどんな人?
  • 第1章 感じる幸せ ― 身のまわりのいいものに気づいてめいっぱい味わう
  • 第2章 直感の幸せ ― 人生のときめきをUPさせ、想定外の未来へ自分を運ぶ
  • 第3章 深く考える幸せ ― ひとり静かに世界とつながる
  • 第4章 表現の幸せ ― 本当の自分で人とつながる
  • 第5章 良心の幸せ ― やりたいことをやることで、まわりの人を笑顔にする
  • 第6章 共感の幸せ ― 「わかりあう」を手放して、いろんな人と笑い合う

個人的な3つの学び

本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。

「繊細さん」が元気に生きるコツ

武田さんは、繊細さんが元気に生きるためには「小さなことから、やりたいことをやる」ことが大切だと述べています。

というのも、繊細さんは刺激を受けると疲れやすい一面がありますが、その一方で、自分がやりたいことをやるとむしろ元気になる、という特徴もあるからです。

普段から、自分がやりたいことを意識してみましょう。

やりたいことがわからないという場合には、武田さんは自分の直感に従うのをおすすめしています。

ここでいう直感とは、頭の中に響く、「なんだかいいな」「〜したいな」という小さな声のこと。

そういった心の声には、自分の本音が隠れています。

普段から考えすぎてしまう人ほど、そういった心の声を大事にしていきましょう。

「繊細さん」の疲れを癒す方法①「アウトプットで刺激を放出する」

武田さん曰く、「繊細さんはインプットが多いので、こまめにアウトプットすると心が整う」とのこと。

「これ以上、頭に情報が入らないよ!」と感じたら、情報過多のサインらしいです。

今思い返してみると、私も定期的に情報過多のサインに出くわしていました。

私の場合は、頭がぼーっとして考えがまとまらなかったり、何だか息苦しいような気がしたりします。

この感覚は人それぞれで微妙に異なってくるかもしれません。

いずれにせよ、こういった感覚に遭遇したら、積極的にアウトプットした方が良いそうです。

例えば、以下のような感じ。

繊細さんにおすすめのアウトプット
  • 自分の気持ちを文字に書く(日記、ブログ、SNSなど)
  • 絵を描く
  • 歌う
  • 誰かに話す

アウトプットといっても、文字に書き出すだけではないのがポイントですね。

自分の頭や心の中にある気持ちを、文字や音、イメージとして外部に放出することができれば、なんでも大丈夫。

私はたまたま文字に書き出すのが好きなのですが、歌うのが好きな人は一人カラオケに行ったり、身近な相談相手がいる方は一緒におしゃべりしたりするのも良さそうですね。

「何だか頭に情報が入ってこないなぁ」と感じたら、自分がやりやすい方法でアウトプットしてみましょう。

「繊細さん」の疲れを癒す方法②「好きなものに触れて心のエネルギーを補充する」

アウトプットするのは、ある種の「放電」とも言えますが、「放電」するためには「充電」も必要です。

例えるなら、力を貯めるようなイメージですね。

特に、「休むほどじゃないけれど、動くにはなんとなく元気がたりない」という場合は、「休む」と「動く」の間の「整える」が効果的とのこと。

武田さんのおすすめは、「自分の好きなものに触れること」だそうです。

例えば、こんな感じ。

繊細さんにおすすめの「自分を整える」行動
  • 好きな空間に行き、何もせず10分ぐらいじっと座る
  • 好きな音楽をかける
  • お気に入りの写真を眺める
  • ときめく漫画を読む

自分が好きなものに触れて、やる気や気力をチャージするわけですね。

繊細さんは感じる力が強いからこそ、自分に合う環境を整えることが特に重要だそうです。

この場合の環境とは、人間関係や職場、住んでいる部屋や街など、身の回りのすべてです。

私もそうですが、合わない環境にいると、違和感やストレスで心身がひどく消耗してしまうんですよね。

心身の消耗を回避するためには、身の回りに好きなものを置いたり、自分が心地よいと感じる空間を用意することが大切です。

中には、「好きではないけど、問題なく使えるし、もったいないからなぁ」と感じるものもあるでしょう。

しかし、こういった微妙なものに囲まれていても、心身のエネルギーは補充できません。

武田さんは、「もったいないなぁ」とか「捨てるか悩むなぁ」という場合は、自分の心がときめくかどうかで決めることをおすすめしています。

自分のテンションが上がるかどうかということですね。

自分の心がときめくものを使うと、何となく前向きになったり、楽しくなったりするものです。

自分にとっての心地よさを大事にして。身の回りを整えていきましょう。

感想

「繊細さん(HSP)」に、世の中を幸せに生きるためのヒントをくれる良書でした。

「繊細さん」ならではの幸せを6つ定義し、それぞれの観点から幸せを感じるための考え方や気づきを優しく提示してくれています。

文章の表現や書籍の装丁・デザインなども全体的に柔らかく、読んでいて心地よい本です。

共感する箇所が多く、自分の今後の生き方の手がかりをたくさん得ることができました。

私もそうですが、HSP気質の方にとって、現代社会はとても過ごしにくいと思います。

周りと同じように楽しむことができなかったり、楽しむことができても心身が疲れ切ってしまったり。

「どうして自分はダメなんだろう……」と悩んだこともあります。

ですが、本書を読んでみて、「もっと自分らしさを大事にしていいんだ!」と目から鱗が落ちました。

自分の繊細さは弱点だと思っていたのですが、繊細だからこそ見える景色があるのだと、教えてもらったのです。

これからは、自分らしさや自分の感覚をもっと大事にしていこうと思います。

まとめ

この記事では、武田友紀さんの著書である『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』の概要と感想をご紹介しました。

まさに、「繊細さんによる、繊細さんのための本」だと思います。

繊細さや考え方は人それぞれなので、本書の幸せのコツがすべて当てはまる人はいないと思うのですが、そのうちのいくつかは必ず気づきを与えてくれることでしょう。

私自身も、新たな気づきをいくつも得ることができました。

自身のHSP気質や「繊細さん」であることに悩んでいる方は、ぜひ調子が良いときにでも、本書を手に取ってみてほしいです。