この記事は『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』についての書評です。
『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』は、古川武士さんの著書。
2022年にダイヤモンド社から出版されました。
1日15分、紙に手書きすることで頭と心を空っぽにするという瞑想方法について解説してくれています。

本の3行紹介
習慣化コンサルタントとして多方面で活躍されている古川武士さんの著書。
本書は、ジャーナリングと呼ばれる瞑想手法に改良を加え、誰でも実践しやすいワーク形式に再構築した本。
頭の中にあるものを紙にドンドン書き出していき、定期的に振り返りを行う手法なので、誰でも取り組みやすく、既存の瞑想に苦手意識のある方にもおすすめです。
- 第1章 書いて整える –「感情ジャーナル」の自己整理効果
- 第2章 考えない。呼吸するように書く –「書く瞑想」の書き方
- 第3章 出す、分ける、変える –「書く片付け」の3ステップ
- 第4章 書いて、結晶化させる –月1回の振り返りジャーナリング
- 第5章 書き出すと、変わっていく –「感情ジャーナル」書き方の実践例
- 第6章 習慣にすると、進化する — 思考・行動・感情を統合させる
個人的な3つの学び
本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。
書くことで気持ちは前向きになる
テキサス大学のジェームズ・ペネベーガー博士による実験が興味深かったです。
「毎日、仕事が終わった後や寝る前に、自分の感情を20分間書き出す」という実験なのですが、その結果、被験者には以下の傾向が見られたとのこと。
- メンタルが強くなり、ストレスが大幅に消えた
- 数週間から数ヶ月でうつや不安が改善
- ストレスが穏やかになる傾向も見られた
- 1ヶ月で血圧が下がり、免疫力も向上
これを「エクスプレッシブ・ライティング」と呼ぶそうです。
毎晩、自分の気持ちを書き出し続けるだけで、これほどのポジティブな効果があるのはすごいですね。
手書きをすると心の奥底の気持ちに気づきやすくなる
脳科学者のマシュー・リーバーマンさんによると、人の直感や潜在学習(深い部分の無意識による学習)は大脳基底核で行われているそうです。
そして、この大脳基底核は、手書きをすることで刺激できるのだとか。
つまり、手書きをすることで、より感情に紐づいたアウトプットができるということ。
スマホに入力する方が手軽ではありますが、ノートへの手書きも大事にしていきたいところですね。
書く瞑想の具体的ステップ
書く瞑想には「放電日記」と「充電日記」があり、1日15分、それぞれログとセルフトークを書いていきます。
ログは「その日にあった事実」、セルフトークは「自身への問いかけを通して浮かんでくる感情」を書き出すものです。
具体例を見ていきましょう。
放電ログ
箇条書きで以下について書きましょう。
効果としては、具体的に書き出すことでマイナス感情が浄化され、ストレス緩和につながるとのこと。
ネガティブなことがあればあるほど放電が必要になるので、少しずつ放電を減らしていくことが大事だそうです。
充電ログ
箇条書きで以下について書きましょう。
効果としては、具体的に書き出すことで、普段何気なく見過ごしているものに気づくことができ、心の充足が味わえるとのこと。
ポジティブなことがあればあるほど心の充電につながるので、少しずつ充電を増やしていくことが大事だそうです。
放電セルフトーク
以下の問いかけに対して、心に浮かぶ言葉を文章で徒然なるままに書いていきましょう。
今の自分の心に注目して、自分が何を感じているのか、正直に書き出すのがポイントです。
充電セルフトーク
以下の問いかけに対して、心に浮かぶ言葉を文章で徒然なるままに書いていきましょう。
あれこれ考えずに、連想的に言葉が思い浮かぶまま、誤字脱字があっても気にせずに、ガシガシ書き連ねていくのがポイントです。
感想
「ジャーナリング」×「習慣化」で、人生をより良い方向に変えていく方法を説明した本。
長年の習慣化コーチングの成果をベースにした「感情ジャーナル」のやり方が、とても丁寧に解説されていました。
例えるなら、「ジャーナリング」と目標管理手法として有名な「OKR」のハイブリットのようなイメージですね。
実際のワークサンプルやテンプレートなども用意されており、読んだ後にすぐ行動に移せるような配慮を感じました。
日々の感情を吐き出しつつ、自分の奥底に眠る願望に目を向け、具体的な行動目標として設定&定期的な振り返りする、という一連の流れが分かりやすくて良かったです。
図や参考画像も適宜掲載されているので、ジャーナリングの入門として取っ付きやすいと思います。
ジャーナリングや振り返りをする際の自分への問いかけの例も参考になりました。
まとめ
この記事では、古川武士さんの著書である『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の概要と感想をご紹介しました。
手書きで書くだけ、というと「そんなことして効果があるの?」と思われるかもしれません。
しかし、書く瞑想のもととなったジャーナリングは、Googleの研修でも取り入れられるほど、有名なものです。
心を鎮め、今ここに集中することで、ストレスレベルを下げ、集中力を向上させる効果があります。
寝る前の僅かな時間でもできるので、日々の生活に取り入れて、自分の感情を整えていきたいですね。
