この記事は『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』についての書評です。
『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』は、古川武士さんの著書。
2022年にダイヤモンド社から出版されました。
1日15分、紙に手書きすることで頭と心を空っぽにするという瞑想方法について解説してくれています。
- 頭と心に不安が渦巻いて辛い思いをしている方
- 最近頭の中でぐちゃぐちゃで、物事になかなか集中できない方
- 一般的な瞑想以外でマインドフルネスを目指したい方
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
習慣化コンサルタントとして多方面で活躍されている古川武士さんの著書。
『理想の人生をつくる習慣化大全』の著者としてもお馴染みですね。
本書は、ジャーナリングと呼ばれる瞑想手法について解説した本になります。
ジャーナリングとは、頭の中で考えていることを、紙に手書きでドンドン書き出していく手法。
誤字や脱字を気にせず、手の赴くままにひたすら書き出していく作業は、頭と心を浄化するのに有効だと言われています。
古川さんは、この手法に改良を加え、誰でも実践しやすいワーク形式として再構築しました。
定期的な振り返りも組み込んでいるところは、さすがは習慣化のプロといったところ。
既存の瞑想が苦手だったり、長続きしなかった方におすすめの本です。
この本を読んだ理由
仕事のストレスから、一時期体調を崩したことがありました。
特にメンタル面がやられてしまい、何をするにも考えがまとまらず、小さなミスを繰り返す始末……。
何と言いますか、頭の中がぐちゃぐちゃになっていて、いつも何か別のことが気になってしまうんですよね。
そんなとき、同僚との会話でたまたまジャーナリングについて知りました。
普通の瞑想はなかなか上手く取り入れることができていなかったのですが、「紙に書き出す」というのは日記で定期的にやっているので、こっちなら上手くできるかもしれないと思ったんですよね。
そのとき、ついでにおすすめの本を教えてもらったのですが、それが本書との出会いでした。
早速、会社の昼休みを使ってAmazonで注文し、週末に読んだ次第です。
印象に残った箇所
特に印象に残ったのは第2章の「考えない。呼吸するように書く –「書く瞑想」の書き方」です。
せっかくなので、その中から個人的に「なるほど」と思ったものを簡単にご紹介しますね。
心の放電と充電が大事!
書く瞑想には「放電日記」と「充電日記」があり、1日15分、それぞれログとセルフトークを書いていきます。
ログは「その日にあった事実」、セルフトークは「自身への問いかけを通して浮かんでくる感情」を書き出すものです。
具体例を見ていきましょう。
放電ログ
箇条書きで以下について書きましょう。
「1日の中で、あなたの感情、気分、エネルギーを下げたものは何ですか?」
効果としては、具体的に書き出すことでマイナス感情が浄化され、ストレス緩和につながるとのこと。
ネガティブなことがあればあるほど放電が必要になるので、少しずつ放電を減らしていくことが大事だそうです。
充電ログ
箇条書きで以下について書きましょう。
「1日の中で、あなたの感情、気分、エネルギーを上げたものは何ですか?」
効果としては、具体的に書き出すことで、普段何気なく見過ごしているものに気づくことができ、心の充足が味わえるとのこと。
ポジティブなことがあればあるほど心の充電につながるので、少しずつ充電を増やしていくことが大事だそうです。
放電セルフトーク
以下の問いかけに対して、心に浮かぶ言葉を文章で徒然なるままに書いていきましょう。
「今、何が一番嫌なのか、つらいのか?」
今の自分の心に注目して、自分が何を感じているのか、正直に書き出すのがポイントです。
充電セルフトーク
以下の問いかけに対して、心に浮かぶ言葉を文章で徒然なるままに書いていきましょう。
「今、一番良いと感じていることは何か?」
あれこれ考えずに、連想的に言葉が思い浮かぶまま、誤字脱字があっても気にせずに、ガシガシ書き連ねていくのがポイントです。
充電と放電の意味
人はできなかったことに意識が向き過ぎてしまいます。
心理学の用語でツァイガルニク効果と言いますが、感情ジャーナルは、この認知の偏りのバランスを整えるものです。
先に放電を書き、そのあとで充電を意識的に書くことで、日々のプラスにフォーカスできるのがポイントですね。
放電を減らし、充電を増やすために、小さくできる改善や工夫を日々積み重ねていきましょう。
感じたこと・考えたこと
「ジャーナリング」×「習慣化」で、人生をより良い方向に変えていく方法を説明した本。
長年の習慣化コーチングの成果をベースにした「感情ジャーナル」のやり方が、とても丁寧に解説されていました。
例えるなら、「ジャーナリング」と目標管理手法として有名な「OKR」のハイブリットのようなイメージですね。
実際のワークサンプルやテンプレートなども用意されており、読んだ後にすぐ行動に移せるような配慮を感じました。
日々の感情を吐き出しつつ、自分の奥底に眠る願望に目を向け、具体的な行動目標として設定&定期的な振り返りする、という一連の流れが分かりやすくて良かったです。
図や参考画像も適宜掲載されているので、ジャーナリングの入門として取っ付きやすいと思います。
ジャーナリングや振り返りをする際の自分への問いかけの例も参考になりました。
まとめ
この記事では、古川武士さんの著書である『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』の概要と感想をご紹介しました。
手書きで書くだけ、というと「そんなことして効果があるの?」と思われるかもしれません。
しかし、書く瞑想のもととなったジャーナリングは、Googleの研修でも取り入れられるほど、有名なものです。
心を鎮め、今ここに集中することで、ストレスレベルを下げ、集中力を向上させる効果があります。
たかが手書き、されど手書き。
必要なのは紙とペンだけなので、デメリットもありません。
最初は私も半信半疑でしたが、一旦取り入れて慣れてくると、頭と心がすっきりする感覚がクセになってくると思います。
みなさんもぜひ、書く習慣を試してみてください。
関連書評
古川武士さんの他の書籍についても書評を書いています。
次に読む本探しのお役に立てれば嬉しいです!