この記事は『スタンフォード式 最高の睡眠』についての書評です。
『スタンフォード式 最高の睡眠』は、西野精治さんの著書。
2017年にサンマーク出版から出版されました。
科学的に最高の睡眠を得るための方法を、豊富なエビデンスを添えて解説してくれています。

本の3行紹介
睡眠研究の分野で有名なスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の所長、西野精治さんの著書。
少し古くはなりますが、2017年時点での最新の研究成果を存分に紹介し、科学的に最高の睡眠をとるための方法を提示してくれています。
睡眠本の原点と言っても良い良書です。
- 0章 「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない
- 1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか
- 2章 夜に秘められた「黄金の90分」の法則
- 3章 スタンフォード式最高の睡眠法
- 4章 超究極!熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略
- 5章 「眠気」を制する者が人生を制す
個人的な3つの学び
本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。
睡眠で一番大事なのは最初の90分
最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体の中で一番重要だと、西野精治さんは述べています。
なぜなら、1回の睡眠のなかで一番深い眠りであり、これが十分深くなると、それ以降の睡眠レベルも整うからです。
それ以外にも、この最初のノンレム睡眠には以下のような大きな役割があります。
- 睡眠全体のレベルに関わる
- 寝ているだけで自律神経が整う
- グロースホルモンの大部分が、入眠直後に分泌される
- 脳のコンディションが良くなる
グロースホルモンは子どもの成長に大きく関わるホルモンですが、実は高齢になっても分泌されるそうです。
特に成人のグロースホルモンは、細胞の成長や新陳代謝の促進、皮膚の柔軟性アップ、アンチエイジングの効果を果たすとか。
1日のうち、入眠直後の第一周期のノンレム睡眠時に大部分(70~80%)が分泌されるので、最初の90分間がとても大事なんですね。
睡眠の質を上げるポイント①:就寝90分前の入浴
私たち人間は、皮膚温度と深部体温の差が縮まると眠くなります。
つまり、体表の温度と体内の温度の差が大きくなると眠くなるということです。
雪山で遭難した際に眠くなるのも、原理は同じですね。
これを有効に使うためには、就寝90分前に入浴して、深部体温を上げるのがおすすめ。
入浴で体を温めると一時的に深部温度が上がり、90分後くらいになると通常時よりも深部温度が低くなって眠くなるからです。
この際、深部温度を上げれば上げるほど、90分後に大きく下がるようになるので、熱めのお湯につかるのが良いとのこと。
最近はシャワーで済ませることが多かったので、きちんとお湯を張って入浴しようと思います。
睡眠の質を上げるポイント②:室温を整える
入眠する際、快適な室温を整えることも大事です。
室温が高すぎると深部温度が下がりにくくなり、結果的に眠くなりにくくなるからですね。
また、湿度が高いと体表からの発汗が進まなくなるため、深部温度が下がらなくなってしまいます。
さらに、この場合は熱が体内に篭るため、熱中症の原因にもなるので要注意です。
最近の夏は蒸し暑いので、エアコンの除湿設定を上手に使っていきたいですね。
感想
出版されてから5年以上経つものの、睡眠の重要性を学ぶという観点からはまだまだ現役の本だなぁと感じました。
図も適宜掲載されているため、読みやすかったです。
また、4章の「超究極!熟眠をもたらすスタンフォード覚醒戦略」では、朝すっきりと目覚めるためのポイントも解説されていました。
これ1冊で睡眠のメカニズムの理解・良い入眠の仕方・良い覚醒の仕方を学ぶことができて、コスパも良いですね。
睡眠に関してお悩み中の方は、とりあえず本書を読んでみるのをおすすめします。
まとめ
この記事では、西野精治さんの著書である『スタンフォード式 最高の睡眠』の概要と感想をご紹介しました。
睡眠のいろはを丁寧に解説している良書で、睡眠に関して学ぶにはぴったりの一冊です。
私もこの本を読んで、睡眠の質を意識するようになりました。
スマートウォッチで睡眠のスコアを記録しているのですが、たしかに本書を読む前よりも、平均スコアが上がってきています。
何事もまずは意識することから、ということでしょうか。
寝ている時間は人生の1/3を占めるので、できるだけ質の良い睡眠をとっていきたいですよね。
皆様も、本書を読んで睡眠の質を向上させていきましょう!
