この記事は『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』についての書評です。
『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』は、心理学者の内藤誼人さんの著書。
2022年に明日香出版社から出版されました。
エビデンスが多く、文字も比較的大きめで、全体的に読みやすい良書です。

本の3行紹介
本書は、立正大学客員教授を務めている心理学者、内藤誼人さんの本。
周囲を気にして疲れてしまう人に向けて、余計な気疲れが減るヒントを61個紹介しています。
1つのヒントが4ページで構成されており、項目ごとに把握できて読みやすいです。
- 第1章 やわらかく現実をとらえ直す
- 第2章 気にしすぎない人になる
- 第3章 さらりと行動を変える
- 第4章 心の重荷を軽やかにする
- 第5章 ささいな悩みを手放す
- 第6章 毎日をもっと気分よく過ごす
個人的な3つの学び
本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。
スポットライト効果
自分が周囲から浮いているような、目立っているような気がして、なんだか落ち着かないという経験はありませんか?
この現象のことを「スポットライト効果」と呼ぶそうです。
コーネル大学がこの現象について実験を行ったところ、「人は自分が思っているほど周囲から注目されていない」ということが明らかになったそうな。
この現象を知っておくと、外へ出た際に人目が気にならなくなるかも。
社会的アレルゲン
「どうしても、あの人だけは無理!」と思ったことはありませんか?
私はあります。
こういった人間関係におけるアレルギー反応のことを「社会的アレルゲン」と呼ぶそうです。
最初は相手の仕草や行動に嫌悪感を感じる程度だったとしても、それが続くとアレルギーとなり、最後には我慢できなくなってしまうというものですね。
本書で知るまでは、私だけが変なのかと思っていたのですが、きちんと現象として存在していると知り、ちょっとホッとしました。
自分の心をポジティブにする3つの方法
様々な大学の研究・実験結果から、自分の心理状態をポジティブにする方法が紹介されていました。
個人的に「取り組みやすいな」と思った方法は以下の3つ。
- 笑顔を作る
- 明るい声を出す
- 強そうなポーズをとる
強そうなポーズの具体例としては、「歩く時は顎を上げる」「座るときは背筋を伸ばす」というものがありました。
どれも手軽に実行でき、かつ効果も科学的に証明されているのがいいですね。
感想
他の自己啓発書で読んだことのある内容も多かったものの、各項目にはエビデンスとなる研究の内容が必ず記載されていたため、納得感を持って読むことができました。
1項目が4ページで構成されているので、心が疲れているときでも読みやすいのが、特に良かったです。
また、各項目が目的ごとに細かく分かれているので、自分の気になる箇所からつまみ食いできるのも良いポイント。
自分の体調に合わせて、必要なところを少しずつ読み進めていくことができます。
対象読者に合わせて、本の全体の構成や配色、表紙のデザインなども考えられているのだなと感心しました。
まとめ
本書は、周りを気にしがちな人にとって、役に立つヒントが多い本でした。
最近の本の中には、全体的な内容は良いものの、肝心のエビデンスが弱い本も多いと感じています。
ですが、本書は多彩な研究結果をもとに医学的な見地からヒントを提示していて、信頼性が担保されているところが良かったです。
一点、筆者の歯に衣着せぬ物言いは好みが分かれるところかもしれませんが、全体的に納得感の多い内容だったと思います。
サクッと読める内容なので、周りを気にしないで過ごすためのヒントが欲しい方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
