この記事は『ドリルを売るには穴を売れ』についての書評です。
『ドリルを売るには穴を売れ』は、佐藤義典さんの著書。
2006年に青春出版社から出版されました。
マーケティングの基礎が学べる入門書をお探しの方におすすめの書籍です。

本の3行紹介
MBAを取得し、中小企業診断士として活躍する佐藤義典さんの著書。
各章にはミニストーリーもついており、学んだ内容を具体的に把握しやすくなる工夫がされています。
これ一冊でマーケティングを本質的かつ体系的に理解できる、入門に最適な本です。
- 序章:”マーケティング”脳を鍛える
- 第一章:あなたは何を売っているのか?
- 第二章:誰があなたの商品を買ってくれるのか?
- 第三章:あなたの商品でなければならない理由をつくる
- 第四章:どのようにして価値を届けるか?
- 第五章:強い戦略は美しい
個人的な2つの学び
本書を読んで得た、個人的な学びポイントを2つまとめます。
ベネフィットとは「顧客にとっての価値」である
ベネフィットとは、顧客にとっての価値のこと。
本書では、ベネフィットの例としてドリルを挙げています。
例えば、私が工具のドリルを売っているとします。
この場合、私が最終的に売っているのは「ドリルが開ける穴」になります。
つまり、お客様はドリルそのものが欲しいわけではなく、穴を開けたいからドリルを買うのです。
逆に言えば、穴を開けられるのであれば、別にドリルじゃなくてもいいわけですね。
商品の特徴と顧客にとってのベネフィットを正しく理解するようにしましょう。
顧客にとっての3つの差別化戦略
本書では自分の商品やサービスを差別化する場合、以下の3つの軸に絞ることを勧めています。
- 手軽軸
- 「手軽に済ませたい」というベネフィットを求める顧客を狙ったもの
- 商品軸
- 「とにかく良いもの」を求めている顧客を狙ったもの
- 密着軸
- 「いつもの」を求める顧客を狙ったもの
採用するのはどの軸でも良いのですが、選ぶ際は必ずどれか一つに集中しましょう。
一つに絞ることで、自分が狙うべきターゲットも具体的になるからです。
本書でも、中途半端になるのが一番ダメだと言っています。
感想
マーケティング初心者に向けた入門書でした。
章ごとに前半と後半に分かれており、前半では「ものを売る」ことに必要な基礎的な考え方や知識が提示され、後半では「売上不振のレストランを再生する」というお話が展開されています。
前半で学んだ内容が後半のストーリーに関わってくるので、学習と理解促進を一度に進められるのが良いところ。
定期的に図やまとめも挿入されているので、内容もとても分かりやすかったです。
ストーリー部分も割と面白いため、マーケティング入門者以外でも、ブロガーや個人事業主の方でも楽しめると思います。
2006年刊行ということで「ちょっと古いのでは?」と思う方もいるかもしれないが心配ご無用。
扱っている内容は基礎的な部分なので、今でも十分役に立ちます。
この本を取っ掛かりとして、それぞれの興味関心に合わせて次の本に進むのがおすすめです。
まとめ
この記事では、佐藤義典さんの著書である『ドリルを売るには穴を売れ』の概要と感想をご紹介しました。
本書で扱っている内容は、マーケティングに関わる方だけではなく、私のようなブロガーにも有益だと思います。
マーケティングの基礎の基礎を理解して、そこから実践的な知識を身につけていきましょう。
