この記事は『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』についての書評です。
『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』は、デビッド・アレンさんの著書。
2006年に二見書房から出版されました。
有名なタスク管理術、GTD(Getting Things Done)の生みの親による解説本です。
- タスク管理手法に悩んでいる方
- 日々のタスクに追われていて、自分の時間が作れない方
- 生産性をあげたいけれど、自分にあったものがなかなか見つからない方
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
有名なタスク管理術、GTD(Getting Things Done)の発明者であるデビット・アレンさんの著書。
GTDとは、「収集」「処理」「整理」「レビュー」「実行」の5つのステップに分けて行うタスク管理のこと。
このGTDの考え方をもとに、タスク管理のコツを丁寧に解説してくれています。
前半では、仕事を素早く進めるためのコツや考え方を提示。
後半では、GTDの基礎を解説しながらより効果的な運用方法を教えてくれているので、GTD初心者の方でも安心。
GTDはタスク管理手法として最もポピュラーと言っても過言ではないので、日々仕事に追われて悩んでいる方に一読をおすすめしたい本です。
この本を読んだ理由
・・・仕事が終わらないのです……。
同僚が一人転職したのですが、その結果、かろうじて保たれていた業務量のバランスが崩壊。
気づけば、いつのまにか残業ウィークが始まっていたのです。
最近では、定時が過ぎてからテンションが上がってくるといいますか、「本番はこれからだ!」という謎のテンションになってしまっています。
久しぶりの休日になって、「このままでは不味いのでは?」と奇跡的に気づいた私は、状況の分析を開始。
問題は人手不足なのですが、こればっかりは入社希望者とのご縁もあるので、一朝一夕でなんとかなるものではありません。
数が増やせないとなると、個人の生産性を上げるしかないでしょう。
「私自身が転職する」という方法もあるのですが、転職活動をするにしても、今の状況では時間を捻出することができません。
そこで、まずは自分の仕事の仕方を見直そうと思ったわけです。
仕事ではタスク管理アプリやプロジェクト管理ツールを使っているのですが、最近はなんだかイマイチうまく機能していないので、別の手法を探したいところ。
そんなある日、GTD(Getting Things Done)のことを思い出しました。
昔、プライベートの用事を管理するのに使っていたのですが、仕事では取り入れていなかったんですよね。
ここで思い出したのも何かの縁だと思い、せっかくなら公式の本とかあれば読みたいなーと思っていたところ、本書を見つけました。
GTD発案者のデビット・アレンさんの公式本なので、これ以上適切な本はないだろう、ということで早速購入した次第です。
印象に残った箇所
今回はGTDをご存知ない方向けに、第5章の「基礎を忘れずに」からGTDのポイントをご紹介しようと思います。
私なりの解釈でご紹介するので、その点はご承知おきください。
GTDの5つのステップ
ステップ1:収集する
あなたの注意を引くものすべてを、ひとつ残らず「in-box」に入れてしまいましょう。
「in-box」とは、とりあえず突っ込んでおくための空き箱のこと。
アナログ派の方は100均で売っているようなボックスで良いですし、デジタル派の人は空のリストを用意すれば大丈夫です。
「in-box」を用意したら、準備はOK。
何か気になることがあれば、全部そこに放り込みましょう。
「いつやるか」とか、「誰がやるか」とかは、この時点では考えなくて大丈夫です。
とりあえず放り込むことで、自身の中にあるタスクを可視化しましょう。
ステップ2:処理する
ステップ1が終わったら、「in-box」からひとつずつやるべきことを取り出します。
取り出したら、そのタスクについて行動を起こすか否かを決めましょう。
行動しないと決めたなら、そのタスクはゴミ箱に捨ててください。
データや資料として残しておきたい場合は、別のボックスなどに保管します。
「やりたいけど、いつやるかは分からない」みたいな場合は、「いつかやる・多分やる」リストに転記しておいてください。
ここでは、仕分けをすることが大事です。
行動すると決めたなら、「次に取るべき具体的な行動」を決めましょう。
ここで大事なのは、「具体的な行動」を決めることです。
例えば、「お部屋の片付け」というタスクがあったとします。
この場合、「部屋を掃除する」という感じで行動を決めてしまいがちだと思うのですが、これではダメです。
これでは、いつ・どこで・誰がやるのかが分かりません。
正しくは「◯日の午前中に、自室を私が掃除する」「◯日の午後に、寝室を夫 or 妻が掃除する」といった感じですね。
こうすれば、責任の所在が明らかになりますし、具体的な行動のイメージもしやすくなるでしょう。
ステップ3:整理する
ステップ2で処理した結果を、あとで取り出したり、レビューしたりできる適当なカテゴリーに分けます。
要は、ステップ2で決めた各種行動タスクを整理するわけですね。
GTDがおすすめしている主要なカテゴリーは以下となります。
- プロジェクト
- 複数のアクションが必要なもの
- カレンダー
- 特定の日時にやらなくてはいけないもの
- 次に取るべき行動
- 空き時間に片付けるもの
- 連絡待ち
- 他の誰かに任せたもの
必要に応じて、これらのカテゴリーを細分化しても構いません。
定期的に行うタスクであれば、チェックリストを用意しておくのも良いですね。
ステップ4:レビューする
カレンダーと「次にとるべき行動」リストを毎日見直します。
状況は刻一刻と変化するもの。
先週は必須だと思っていたタスクが、今週になって不要となることは割とよくあることだと思います。
そこで、「予定がずれていないか」「やる必要のなくなったタスクはないか」ということをチェックするわけですね。
この作業は寝る前か朝イチで行うと良いでしょう。
ステップ5:実行する
さぁ、あとは実行するだけです。
「次にとるべき行動」リストを見直し、現在の状況、待ち時間、エネルギーレベル、優先順位を考慮して行動に移しましょう。
やるべきことは「次に取るべき行動」リストに具体的に書かれているはずなので、迷うことはないはずです。
もしも行動に迷いが生じるようであれば、迷いが無くなるまでタスクを細かくしていきましょう。
「自分がなぜそれをやっているのか」を常に意識することによって、正しい選択を心がけることが大事です。
感じたこと・考えたこと
内容はGTDをベースにしているものの、基本的な仕事術の本としても使える便利な本でした。
第5章でGTDの基本も解説しているのでGTD初心者でも安心ですが、事前に軽くGTDの基本を押さえておいた方がスムーズに読めると思います。
ちょっと長いですが、GTDについては以下の記事が詳しいので、興味のある方はご覧ください。
タスク管理術はさまざまなものがあるものの、GTDは基本がシンプルなので、どのような環境やアプリと併用しても使えるのが利点ですね。
私もタスク管理アプリとノートを併用して活用しています。
GTDについては本書を読む前から知っていましたが、本書を読んでみて、本質的なところをより深く理解することができました。
GTDに興味がない方でも、本書の前半部分は参考になる考え方が多いと思います。
GTDが気になっている人やタスク管理の仕方に悩んでいる方は、とりあえず本書を読んで実践してみるのがおすすめです。
まとめ
この記事では、デビッド・アレンさんの著書である『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』の概要と感想をご紹介しました。
タスク管理手法はたくさんあるので、色々と試してみて、ご自身の性格や環境に適したものを取り入れるのが良いと思います。
私も色々な手法やアプリ・ツールを試してきて、今はGTDに落ち着いている感じです。
もしもタスク管理について悩んでいるのであれば、まずは実際に試してみるのをおすすめします。
ネット上には色々な口コミがありますが、最終的に決め手となるのは「自分にとって心地よいか?」という部分です。
タスク管理は毎日行うものなので、ご自身にとってやりやすくて、かつモチベーションが上がるものを選んでいきたいですね。