この記事は『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』についての書評です。
『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』は、木下勝寿さんの著書。
2022年にダイヤモンド社から出版されました。
仕事ができる人になるための考え方やコツを、豊富なイラストや図とともに紹介している本になります。

本の3行紹介
東証プライム上場企業である、北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下勝寿さんの著書。
東洋経済オンラインが実施した「市場が評価した経営者ランキング2019」で1位を獲得したこともある木下さん。
そんな著者が、自身の培ってきた思考回路・心構え・仕事のスキルを1冊にまとめたものになります。
- 第1章 すぐやる人の思考アルゴリズム
- 第2章 必ず目標達成する人の思考アルゴリズム
- 第3章 ノーミス人間になる思考アルゴリズム
- 第4章 自分で考え行動する人の思考アルゴリズム
- 第5章 成功者の思考回路をコピーする
個人的な3つの学び
本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。
行動量が10倍アップする ピッパの法則
木下さん曰く、世の中には3種類の人間がいるそうです。
つまり、「成功する人」になるためには、思いついたら即行動することが大事なのですね。
では、どうすれば即行動できるようになるのでしょうか?
木下さんは、「忙しいから実行できない」という思い込みを解消する「ピッパの法則」をおすすめしています。
「ピッパの法則」とは、「ピッと思いついたらパッとやる」ということ。
具体的には、やるべきことが起こったときに「後でやろう」「いつかやろう」と思うのではなく、すぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める、ということだそうです。
この法則に従えば、タスクが計画段階で滞らなくなるので、結果的に次々と仕事をこなしていけるようになります。
即断即決は名将の条件でもありますが、やっぱり現代の仕事でも大事なんですね。
私は割と後回しにしがちなので、気をつけたいと思います。
“重要度×緊急度×すぐ終わる”で考える 優先順位のダブルマトリックスの法則
重要度と緊急度で仕事の優先度を決める、「アイゼンハワーマトリクス」という手法をご存知でしょうか?
この手法の利点は、緊急ではないけれど実は重要なタスクを明確にできるところです。
しかし、現実的には「重要かつ緊急度の高いタスク」と「重要ではないけれど緊急度の高いタスク」に追われ、なかなかうまくいかないことも多いことでしょう。
私も「アイゼンハワーマトリクス」を使いこなせなかった一人です。
しかし、木下さんは、ここに「すぐ終わるかどうか」というポイントを加えて改良しました。
それが、「優先順位のダブルマトリックスの法則」です。
まずは基本に従って、重要度と緊急度で仕事を分別し、重要度も緊急度も高いタスクが出てきた場合は、完了までにかかる時間を考慮し、すぐ終わるものを最優先にする、というもの。
木下さん曰く、「多くの人が重要度・緊急度が高く、時間のかかるものから手をつけるが、これは間違い」とのこと。
重要度と緊急度が同じなのであれば、すぐに終わるものから手をつけたほうが圧倒的に良いそうです。
- すぐ終わるものを優先することですぐに結果が得られ、こなせるタスク数が増える
- 発生から実行までのスパンが短くなることで、タスク管理の手間が省ける
- 大きな目で見ると仕事全体が進む
- 記憶が鮮明なうちに仕事が終わるので、短時間で漏れなく精度の高い仕事ができる
確かに、仕事をしているときの「進んでいる感」って大事ですよね。
少しずつでも前に進んでいることが分かると、なんだかモチベーションも上がってくるような気がします。
完了時間の目安で優先順位を変える
木下さんは、完了時間の目安で優先順位を変えなさいと述べています。
具体的には以下の通りですね。
- 10分以内に完了 => すぐやる
- 30分以内に完了 => 今日中にやる
- 1時間以内に完了 => 明日中までにやる
- 1日以内に完了 => 2週間以内にやる。やる日を決める
- すぐにやる価値のないもの => 「やらない」と決める
個人的に、「すぐにやる価値のないものはやらないと決める」というところが目から鱗でした。
仕事上ですぐにやる価値のないタスクって結構あると思うんですよね。
惰性でやっている書類仕事とか、いつから続いているのか分からない謎の文化とか。
そういった「時間だけ取られる無駄なタスク」は、思い切って捨ててもきっと何も問題がないはず。
本書で得た一番の学びかもしれません。
感想
北の達人コーポレーション社長の考え方のコツやノウハウが45個にギュギュッと詰まった本でした。
内容としては、他の有名なビジネス書などに書かれているテクニックを、著者の経験と思考でブレンドしたイメージ。
ビジネス書好きな方にとっては、もしかすると「あ、これ知ってる」となる箇所も多いかもしれません。
しかし、一番大事なのは、著者自身が前書きでも書いている通り、読んだあとに実行するかどうか、ということだと思います。
成功する人はとにかく行動量が多いので、本書の45個のコツをどのように日常で実践していくかが大事です。
イラストや図も豊富なので、思っている以上にサクッと読めるはず。
1日1項目ずつ学んで実行していけば、45日で一周できる計算になります。
これなら忙しい社会人でもなんとか読みきれそうですよね。
巻頭には付録として会社での階級別のロードマップもついているので、まずはそこから始めてみるのも良いかもしれません。
全体的に組織人向けの本なので、仕事の進め方に悩んでいるビジネスパーソンの方におすすめです。
まとめ
この記事では、木下勝寿さんの著書である『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』の概要と感想をご紹介しました。
上場企業の現役創業者だけあって、書かれている内容はどれも重要なものばかりでした。
職種によってはあまり参考にならないものもあるかもしれませんが、ポイントは45個も紹介されているので、自分に合ったものを取り入れるのが良いでしょう。
この手の本は読み終わった後の行動が一番大事です。
自分にとって参考になった箇所があれば、明日の仕事から早速実践してみましょう。
私も本書でインストールしたコツを実践に活かせるように頑張ります。
