この記事は『書きだすことから始めよう』についての書評です。
『書きだすことから始めよう』は、バーバラ・シェアさんとアニー・ゴットリーブさんの著書。
2018年にディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されました。
全米100万人の夢を叶えた実践的なワークを通して、自分への理解を深めていくための本になります。
- 自分のやりたいことが見つからずにお悩みの方
- 転職や結婚など、人生の転機を前に、自分のやりたいことを見つめ直したい方
- 自分探しの旅の道標となる本をお探しの方
本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
本の簡単な紹介
14個のエクササイズを通して、自分にとって一番大切な夢を見つけ、追い求めるための本。
バーバラ・シェアさん曰く、「紙と鉛筆と想像力、そして家族と友人の助けがあれば、無理せずとも何もかもがうまくいくシステムをつくることができる」とのこと。
そのために大切なのが、自分にとって本当に大事なものを見つける作業。
本書は、前半のエクササイズを通して自分の夢を再発見し、後半で具体的な目標を立て、それを実行するための計画を立てる、という構成になっています。
見やすい紙面と実際に手を動かして学ぶ過程はとても楽しいものです。
既存の自己啓発本に満足できない方に特におすすめしたい書籍となっています。
この本を読んだ理由
いくつか自己啓発本を読み込み、自分の中でモチベーションを上げてはみたものの、次の一歩がなかなか踏み出せないでいました。
やる気はあっても、どこへ向かえば良いのかが分からないのです。
目標を立ててみたものの、やっているうちに「これは本当に自分がやりたいことなのかしら?」と悩んでしまうんですよね。
悩んだときには本を読むことにしている私は、とりあえず近くの書店へ足を運びました。
ぐるぐると店内を回っていると、一風変わった表紙の本が目に入りました。
手帳風の見た目と「全米100万人の夢をかなえた究極のリスト術!」という文言。
「これは他の本と少し違うかもしれない」と感じた私は、そのまま本を手に取って中身をチラ見。
どうやら実践的なワーク(本書の用語では”エクササイズ”)を通じて、一歩ずつ自分のやりたかったことを思い出していく本のよう。
「これこそ今の私に必要な本だ!」と確信し、そのまま購入した次第です。
印象に残った箇所
特に印象に残ったのは、Part3の「具体的な目標をつくろう」です。
今回はその中から、私の学びや気づきになった箇所をご紹介しますね。
正しい目標を立てるための3つの条件
本書では、正しい目標の条件を以下の3つとしています。
それぞれについて、軽くご紹介しますね。
手順や期日を決められる具体的な目標であること
本当の目標は具体的な行動か出来事でなければならない、と本書は述べています。
具体的に何をやれば良いのかが分からないと、そもそも目標を進めることができないからですね。
そして、特に重要なのは達成期日を決めることです。
期日がないと、いつ・どの時点で達成していれば良いのかが不明になってしまいます。
「10kg痩せる」と決めたとしても、ゴールを半年後にするか1年後にするかで、日々の運動量も変わってきますよね。
故に、達成期日を決めることができれば、目標がより具体的になるのです。
欲しいものを宣言するときは嘘をつかないこと
目標を立てる際に一番大事なのは、自分の感情だそうです。
その目標に何を望んでいるのか、自分はどうなりたいのか、自分はどう思っているのか、という部分ですね。
感情が動かないとモチベーションも続きませんし、何より楽しくありません。
人生の目標として長く取り組んでいくためには、自分が心から「楽しい」「面白い」「これがいい」と思えるものでないといけないわけですね。
本書のワークも、子供の頃の感情や思い出に寄り添って進めるものが多かったです。
本当は欲しくないと気づいたらいさぎよくやめること
もしかしたら、本書の中でもここが一番重要かもしれません。
バーバラ・シェアさんとアニー・ゴットリーブさん曰く、「本当は欲しくないもののために頑張らないことは、本当に欲しいものを手にいれるのと同じくらい、大切なこと」とのこと。
私はこの言葉を読んで、ものすごく衝撃を受けました。
自分が今頑張っているものの中にも、思えば自分の意思ではなく、周囲の期待から頑張っているものがいくつかあったからです。
あなたも、周囲から期待されているからという理由だけで、何かを目標にしていたりはしませんか?
周囲からの期待は、自分の夢や目標にはなりません。
先ほど上でもお話ししましたが、自分の目標は自分の感情に基づいていることが大切なのです。
やらされている感が強いと、モチベーションも下がってしまいますし、興味のない目標に取り組むほど、人生は長くありません。
今取り組んでいることが、実は自分が望んでいないことだと気付いたのなら、そのまま辞めてしまいましょう。
空いた時間で、本当に自分がやりたいことに取り組めば、それは前向きな前進だと思います。
感じたこと・考えたこと
自己実現を助けてくれるワーク(エクササイズ)が中心の自己啓発本でした。
通読することで、ワークを通じて自分の中に眠っている「やりたいこと」を掘り出し、それを実現させるためのフローチャートを作成することができます。
ワークの目的や取り組み方はもちろん、完成図のイラストも掲載されているので、視覚的に理解しやすかったです。
私も実際にワークを試してみたのですが、全く躓くことなく進めることができました。
ワークが中心なので、説明部分はサクッと目を通し、実際に手を動かしながら進めるのがおすすめです。
自己実現のためのフローチャートも作るのですが、その他にも、習慣化するための方法やマインドセットの部分の話などもあります。
「目標を決める」「目標を計画に落とし込む」「計画を遂行する仕組みを作る」という流れを、この一冊でカバーできるのが利点ですね。
逆に、すでに他の目標設定に関する書籍を読んで実行している人にとっては、目新しい内容は少ないかもしれません。
まとめ
この記事では、バーバラ・シェアさん・アニー・ゴットリーブさんの著書である『書きだすことから始めよう』の概要と感想をご紹介しました。
やっぱり、アイデア出しは実際に手を動かすのが一番ですね。
紙とペンを使って過去の自分と向き合うのは、とても楽しかったです。
有名な目標管理手法であるOKRやMBOを実践している人には知識として得るところは少ないかもしれませんが、本書での夢を掘り起こすワークをしっかりやれば、何かしら気づきを得ることができるでしょう。
まずは本書で夢や目標を明らかにして、実際に行動していくなかで、微調整を加えていけば良いと思います。
人生の目標設定に悩んでいる個人におすすめの本です。