この記事は『できる人の人生のルール』についての書評です。

『できる人の人生のルール』は、リチャード・テンプラーさんの著書。

2019年にディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されました。

人生を前向きに楽しむためのポイントが、見開きで111個まとめられている自己啓発本です。

本の3行紹介

人生を前向きに楽しむ人になるためのポイントが2ページごとにまとめられた自己啓発本。

こちらのRulesシリーズはシリーズ50万部を突破、全世界で50言語に翻訳されているロングセラーです。

どの国、どの文化でも応用できる、本質的な行動原則がコンパクトにまとまっています。

本の目次
  • 第1章 個人的成功のための55のルール
  • 第2章 パートナーと最高の関係を築く15のルール
  • 第3章 最高の家族・友人となるための14のルール
  • 第4章 社会の一員としての17のルール
  • 第5章 幸福な時間を増やす10のルール

個人的な3つの学び

本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。

飛び込む前に、水の深さを確認しよう

リチャード・テンプラーさんは、挑戦する前にリスク管理をしっかりしなさい、と仰っています。

幸せな人生を送っている人は、ただやみくもに挑戦するのではなく、常に先を見越しているのだそうです。

よくあるビジネス本では、「失敗を恐れるな!」といった言葉をよく目にしますが、それをそのまま鵜呑みにしてはいけません。

なぜなら、失敗の中にも色々あって、一発で再起不能になるような大失敗もあり得るからです。

失敗は次の成功につながるから歓迎できるのであって、その失敗で挫折してしまっては本末転倒です。

そこで、リチャード・テンプラーさんは、挑戦する前のリスク管理をおすすめしているわけですね。

事前に避けられるリスクがあるのならば、顕在化する前に対応しておくのが良いに決まっています。

目の前に穴が空いているのに、そのまま直進するような行動は、挑戦ではなく、ただの蛮勇です。

かの孔子も、弟子の蛮勇を戒めたことがあります。

暴虎馮河して、死して悔ゆる無き者は、吾与にせざるなり
(読み:ボウコヒョウガして、シしてクゆるナきモノは、ワレトモにせざるなり)

『論語』述而篇

素手で虎に立ち向かったり、歩いて大河を渡ったりして、それで死んでも後悔しないような人とは、私は一緒に行動しない、という意味。

弟子の子路に対して、勇気と蛮勇を履き違えるなと戒めた言葉になります。

難しいことに挑戦するからこそ、事前の準備は大切です。

事前に想定できる懸念点を挙げ、それらへの対処法を準備しておけば、いざ何かあったときでも安心して対応することができます。

被害も小さくすることができるので、次の挑戦への影響も軽微にできますよね。

「できる人」になるために、事前のリスク管理はしっかり行いましょう。

毎日、自分だけの時間を作ろう

リチャード・テンプラーさんは、「毎日、自分だけの時間をつくる」ことをおすすめしています。

理想的には30分欲しいところですが、最低10分でも良いそうです。

そして、その時間は自分のためだけに使い、自分をリフレッシュさせて元気をチャージするための時間にしなさい、とのこと。

とはいえ、「具体的にどうしたら良いの?」となりますよね。

リチャード・テンプラーさんは、ポイントは「何もしない」ことだと述べています。

何も考えず、何もせず、何も心配せず、ただ座っている。ただ生きている喜びをかみしめて、そこに座っている。それだけで良い

リチャード・テンプラー『できる人の人生のルール』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年

樺沢紫苑さんの著書でも説明されていましたが、脳は何もしていないときに一番活動しているとのこと。

デフォルトモード・ネットワークといい、ぼーっとしている間に脳内では大規模な整理が進められるのだとか。

お風呂に入っているときなどに「ハッ!?」と閃いたりするのは、このデフォルトモード・ネットワークのおかげなんだそうです。

リチャード・テンプラーさんが仰っているのも、同じことだと思います。

ぼーっとする時間を作ることで脳内を整理し、エネルギーの充填とひらめきの促進を行うわけですね。

私も積極的にぼーっとする時間を作ろうと思います。

自分の居場所を複数用意しよう

リチャード・テンプラーさん曰く、複数の世界を持つことが大事、だそうです。

「世界」とは、自分の逃げ場所のことですね。

職場で辛いことがあったらお家、お家で辛いことがあれば職場、というように、自分がいても良い場所を複数作ることをおすすめしています。

なぜなら、居場所が一つだけだと、そこでうまくいかないことがあると全てが辛くなってしまうからです。

どこか一つが自分のすべてになってはいけません。

家族も、仕事も、友達も、趣味も、すべてを大切にしましょう。

そうすることで、いざ辛いことがあったときに、別の世界が自分の逃げる場所になってくれます。

感想

見開き2ページにポイントがまとまっていて、とても読みやすい自己啓発本だと思いました。

掲載されているのはどれもちょっとした考え方・行動のコツなので、日常生活に取り入れやすいのも良いですね。

基本的なレベルのポイントも掲載されているので、人によってはありきたりに感じるかもしれませんが、紹介されているルールは全部で111個もあるため、どんな人でも一つや二つは参考になる部分があると思います。

スモールステップで1つずつこなしていけば、人生を少しずつ変えていくことができるかもしれないな、と感じました。

サクッと読んで前向きな気持ちになれる良本だと思います。

まとめ

この記事では、リチャード・テンプラーさんの著書である『できる人の人生のルール』の概要と感想をご紹介しました。

人生には色々な苦労がありますが、自分の気持ちの持ち方一つで、辛い経験も学びに変わるのだと思います。

そこで得た学びを実践に活かし、さらに新たな学びを得る。

こういったポジティブなサイクルが回り始めるようになれば、人生を主体的に生きることができるのかもしれません。

とりあえず、私も自分にできることを一生懸命に頑張り、より良い明日に向けて歩み続けてみようと思いました。