この記事は『理想の人生をつくる習慣化大全』についての書評です。

『理想の人生をつくる習慣化大全』は、古川武士さんの著書。

2019年にディスカヴァー・トゥエンティワンから出版されました。

幸せな人生を送るための習慣づくりの方法を、優しいイラストと噛み砕いた説明で解説してくれています。

本の3行紹介

習慣化コンサルタントとしてマルチに活躍されている古川武士さんの著書。

幸せな人生を送るための習慣化のコツを、見やすいイラストを交えながら、全部で65個紹介しています。

内容は「行動の習慣」「思考の習慣」「感情の習慣」「環境の習慣」に大別され、その中の項目も細かく分割されているので、隙間時間にちょっとずつ読み進めやすいのが良いところです。

本の目次
  • 序章 習慣化で理想の人生をつくろう
  • 第1章 行動の習慣
  • 第2章 思考の習慣
  • 第3章 感情の習慣
  • 第4章 環境の習慣

個人的な3つの学び

本書を読んで得た、個人的な学びポイントを3つまとめます。

楽しむことを最優先にする

習慣化のポイントは、「何をすべきか」ではなく、「何をしたいか」だそうです。

つまり、自分が好きなことを起点にする、ということですね。

よくある失敗は、「ダイエットのために毎日1時間走る」というもの。

いくら最初はモチベーションが高くても、走ること自体が嫌いだと、1週間後にはやる気が無くなってしまいます。

好きではないことは長続きしません。

「好きではない→好きではないので面白くない → 面白くないので辛い →モチベーションが下がる→何か理由をつけてサボる → 習慣化できずに終わる →成功しないのでさらに嫌いになる」という悪循環です。

その点、自分の好きなことであれば、自然前向きに取り組むことができます。

例えば、走ることよりも泳ぐことが好きなのであれば、「ダイエットのために毎日1時間泳ぐ」という目標にすれば、成功確率も高くなりますよね。

実際、私もnoteで古典や歴史について1年半以上発信していますが、自分が好きなことだから長続きしているという実感があります。

習慣化に困っている場合は、「何をすべきか」という思考から離れ、自分が「何をしたいか」を中心に考えてみましょう。

試しに小さなところから始めてみる

習慣化する際の問題点は、0を1にするのにとても力が必要だということ。

人間は現状維持を好む生き物なので、いきなり大きな習慣を身につけようとすると、思っていた以上に抵抗感を覚えてしまいます。

そのため、古川武士さんは習慣化する際のポイントとして、以下の2点を挙げています。

習慣化する際のポイント
  • まずはハードルを徹底的に下げて、ごく小さなことから始める
  • ちょっとだけ試してみて、そもそも自分の気持ちが乗ってくるかどうかを確認する

一点目は、人間の仕組みに着目したポイントです。

以下の本でも説明されていますが、人間の現状維持バイアスを打破するためには、できるだけ変化を小さくしなければなりません。

小さな行動を少しずつ繰り返していくと、次第に脳の中に新たな神経ルートが構築されていき、無理せず習慣化できるようになっていくのです。

二点目は、コンサルタントらしい着眼点です。

習慣化する上で、気持ちの問題は結構大事です。

歯磨きや手洗いのように、何も考えずに繰り返すことができれば良いのですが、そこまで自然体の状態に持っていくのはなかなか大変。

できれば、自分もやっていて前向きに取り組めるものがいいですよね。

そのためには、まずはちょっとだけ試してみて、自分が実際にどう感じるかを体験してみるのがおすすめとのこと。

ちょっとだけ試してみるだけであれば、それほど大きな影響はありませんし、実際に試してみることで、知識だけでは得られない生の感想を得ることができます。

そこでいろいろ試してみて、自分に合うものを選びましょう。

“ある”ものに注目する

何かを始める際によくあるのが、「でも〜がないんだよね…」という頭の中の声です。

新しいことを始めようとすると、なぜか「自分にないもの」が気になってしまうんですよね。

ですが、古川武士さんは「自分にあるもの」に目を向けましょう、と述べています。

なぜなら、「自分にないもの」にばかりフォーカスすると、いつまで経ってもスタートすることができなくなるからです。

しかし、「自分にあるもの」に目を向けると、「今手元にあるもの・環境で、どうやってスタートさせるか」ということを考えられるようになります。

考え方の問題ではありますが、同じく悩むなら前向きな方がいいですよね。

私も真似してみようと思います。

感想

65個もの習慣化のコツが、とてもコンパクトかつ明快に記載されている良書でした。

読み手の目的に合わせて、「行動の習慣」「思考の習慣」「感情の習慣」「環境の習慣」からそれぞれ選ぶことができるようになっており、辞書的な使い方もできる本です。

目次を見て、今直面している課題に合いそうな箇所から読み進めていくと便利だなと思いました。

ただ、人によっては各章での一つ一つの掘り下げが少し浅いように感じるかもしれません。

それは本書の欠点でもありますが、同時に長所でもあります。

タイトルに『習慣化大全』とあるように、本書はあくまで「大全」だからです。

習慣化のメカニズムを掘り下げる学術書ではなく、習慣化を日常に落とし込むための実用的な本、ということですね。

ですので、習慣化の色々なコツを知ったり、いざという時の辞書として使ったりする分には、その身軽さがとても便利だと思います。

最新の科学研究の成果を知りたい人の場合は、本書以外の習慣化の本を手に取った方が良いでしょう。

まとめ

この記事では、古川武士さんの著書である『理想の人生をつくる習慣化大全』の概要と感想をご紹介しました。

本書は、習慣化のプロが手がけた「習慣化のポイント大全」といった本です。

知らないコツやテクニックを知ったり、手元に置いて辞書として使ったり、本書の活用法は人によって異なるかもしれませんが、習慣化のバイブルとして実用性の高い本だと思います。

習慣化はなかなか難しいものではありますが、本書には65個ものコツが掲載されているので、誰でも1つや2つ、自分に適したコツが見つかることでしょう。

私も本書で学んだコツが今でも役立っています。

実際に、この本のおかげで「noteでの1年間毎日更新」を達成することができました。

みなさんもぜひ、ご自身の習慣化の糧にしてみてください。

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