この記事は『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣 』についての書評です。

『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』は、グローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」の創設者である塚本亮さんの著書。

2017年に明日香出版社から出版されました。

1項目が4ページにまとまっていて隙間時間にも読みやすく、習慣化を学ぶ最初の1冊として優れた良書です。

以下のような方におすすめ!
  • やりたいことはあるけど、すぐに考え込んで動けなくなる方
  • 何でも後回しにしがちな癖を治したい方
  • 良い習慣を身につけて、人生の限られた時間を有効活用したい方

本記事が、良書との素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。

本の簡単な紹介

概要紹介

本書は、グローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」の創設者である塚本亮さんの著書。

心理学に基づいた指導法は国内外から高く評価されており、「ジーエルアカデミア」はケンブリッジ大学やロンドン大学などに100人以上合格するほどの実績を上げています。

そんな塚本さんがご自身の実体験や指導経験に基づいて、すぐ行動できるための習慣化テクニックを存分に詰め込んだのが本書です。

考え込みすぎて行動できない人に向けて、「すぐやる人」になるための習慣が50個紹介されています。

各習慣は4ページにまとまっており、イラストも掲載されていて読みやすいです。

この本を読んだ理由

選んだ理由

私には、何かやりたいことがあって行動しようとしても、その前に色々と考え込んでしまう癖があります。

もともと考えるのは好きなのですが、一度思考の沼に嵌ると時間だけがすぎてしまい、結局何もできずに終わることが多いのです。

さすがにこのままではマズイと思い、書店に繰り出したところ、本書を発見。

ちょうど表紙のデザインがリニューアルされたタイミングだったようで、書店の目立つところに平積みになっていました。

これも何かの巡り合わせかもしれないと感じ、自分を変えるヒントが欲しくて読んだ次第です。

印象に残った箇所

印象的な箇所

色々学びになる箇所はあったのですが、個人的には第7章の「行動編」が特に参考になりました。

せっかくなので、その「行動編」から、私が特に学びになったポイントを2つご紹介します

すぐやる人になるために重要な2つの行動

1. 初めて取り組む際には真似をする

新しいことに挑戦するとき、人は誰しも不安を感じてしまうもの。

その不安を払拭するべく、人とは違うことに手を出して、大きな成果を夢みがちです。

しかし、初心者だからこそ欲を出さず、変な癖がつかないように真似をした方が良い、と著者は言います。

真似をすると初速も出ますし、素早くPDCAサイクルを回すことができるからです。

実際、私もこれはその通りだなと思います。

基礎を疎かにして自己流で進めようとすると、ちょっとしたことで壁にぶつかってしまい、結果的に余計な時間がかかりやすくなります。

他人のものをそのまま真似するのはダメですが、先人の歩んだ道を参考にして、そこから学びを得ることは、自分を成長させる糧となるでしょう。

著者がこの章で挙げていた言葉に、「守・破・離」というものがあります。

千利休が茶道を通じて体得したというスペシャリストへのステップのことです。

有名な言葉なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

  • 守:習ったことを徹底的に真似する段階
  • 破:「守」で習得した型に、自分らしさを加えていく段階
  • 離:オリジナルを確立する段階

真似をするというのは、「守」にあたるわけです。

自分らしさを出していくのは、その後。

いきなりオリジナルを目指そうとしても、そんなことができるのは一握りの天才だけでしょう。

まずは何事も基礎固めが大事ということですね。

2. 記憶に頼らずに記録をつける

記憶は曖昧なもので、都合の良いように美化したり、逆にネガティブなものに変わったりします。

記憶は時間とともに抜け落ちていくので、記憶に頼りすぎていると、自分が実際にやってきたことすらも印象が薄くなってしまいかねません。

そこで大事なのが、記録をつけることです。

記録をつけると自分がやってきたことがはっきりするので、自己効力感につながります。

モチベーションが上がり、自信につながるわけですね。

過去の記録と比較することで自身の成長も実感することができますし、自身の課題を見出すこともできるでしょう。

実際、サッカーで有名な中村俊輔選手も、高校時代に挫折を味わって以降、必ずサッカーノートをつけて記録しているそうです。

日々の記録を振り返ることで、自身の状態を客観的に判断することができるんですね。

感じたこと・考えたこと

読んだ感想

「すぐやる人」になるための習慣が50個も掲載されているため、誰でも一つや二つは役に立つヒントが見つけられる良書だと思いました。

書籍としての構成面でも、「すぐやる人」と「やれない人」のパターンをイラスト付きで比較しながら解説してくれるので、違いを意識しやすかったです。

さらに、研究結果等のエビデンスも豊富かつ、著者のスクールで実際に成果が出ている方法ばかりなので、一定の信用が置けるところもポイント。

実際に上手くいっている事例があると安心できますよね。

「行動改善」「習慣化」といったテーマを扱うビジネス書は多いですが、本書はイラストも多く、1項目が4ページ構成で完結しているため、隙間時間にも読みやすい良書でした。

気軽に読み返しやすいので、本棚に置いて、辞書的な感じでときどき読み直そうと思います。

まとめ

本書は、色々考え込んですぐに動けない人にとって、実践しやすいヒントが多い良書でした。

長々と解説をするのではなく、端的に習慣のメリットとデメリットを提示してくれるので、非常に分かりやすかったです。

何度か表紙がリニューアルされていることからも、ロングセラーであることが伝わってきます。

本書の使い方としては、目次の気になったところを開いて読むのがおすすめ。

1つの習慣が4ページで構成されていることに加え、図解イラストも大きめなので、2~3分の隙間時間があれば読むことができます。

日常の隙間時間を使って、「すぐやる人」になる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?